「パリ国際会議」に出席して―久しぶりのヨーロッパ短期滞在見聞録―Ⅳ

エコノミークラス席の12時間はやはりしんどかった。

お隣りが同じツアーの税理士さんだったのは幸いで、初めのうちはいろいろとお話など交わしながら時間をつぶすことができた。

 

そうしているうちにやがて1回目の食事が出てきた。

日本にいれば昼食の時間である。食事を軽く片付けて、出発してからどれくらい経ったのか時計を見てみるとまだ3時間くらいしか経っていない。

「あと9時間か・・・」始まったばかりとはいえ、旅の長さにため息が出る。

 

出発前は、「行き帰りで大いに本が読めるぞ!」と張り切って何冊も持ってきたのだが、消灯した後の狭いエコノミー席で読書灯を点けるのはいささか気が引ける。

スポットライトとはいえ、周りもかなり明るくなるからだ。

実際、そんなに読む気にもならない。

 

そう思っていたら、1席1席、目の前に小さなデジタル画面が取り付けられており、映画を観ることができる。

最初、リモコンの操作方法がよくわからず、戸惑ったが、やがて日本語吹き替えでかなりの数の映画を観ることが可能であることがわかった。

 

飛行機の中などでは熟睡できない私は、少しトロトロっとしただけで、後はほとんど映画を観て過ごした。

4、5本立て続けに観たので、最後はストーリーがごちゃごちゃになって何が何やらわからなくなってしまった。

 

トイレにも何回も立ったが、席が通路側かつ場所も近かったのでこの点は助かった。

そうこうしているうちに、飛行機がロンドンのヒースロー空港に近づいたことを知らせる案内があった。

 

2回目の食事からしばらくして、約12時間半のフライトの後、ヒースロー空港に降り立ったのである。

イギリスの厳しい入国審査を受けて空港内に集合することができた。

 

 規模も大きく大勢の人が行きかうヒースロー空港

 

 

つづく