先代が劣化したオッサンになっていた場合・・―劣化したオッサンさんにならないために―Ⅱ
『劣化するオッサン・・』のこの書評では、オッサンの人物像として
(1)古い価値観に凝り固まり、新しい価値観を拒否する(2)過去の成功体験に執着し、既得権益を手放さない(3)階層序列の意識が強く、目上の者に媚び、目下の者を軽く見る(4)よそ者や異質なものに不寛容で、排他的
といった特徴を挙げている。
これは著者の山口周氏が、ボストンコンサルティングのような大きな組織に所属していた、という経緯もあってのことだろうが、大企業や役所のような大組織が多分に意識されている。
私の周りに置き換えるとすれば、地域における様々なコミュニティー、例えば、商工会や法人会といった会務組織、ロータリークラブやライオンズクラブといったクラブ組織、倫理法人会や中小企業同友会のような理念共有組織、様々な銀行の持つ社長会、といった、主に経営者の集まりがそれに該当する。
また、業界団体という存在も無視できない。
私の所属する税理士会がそれに該当する。
そのほかには公認会計士協会、弁護士会、医師会などの有資格者団体がある。
また、流通業には流通業の、土木建設業には土木建設業の、といったようにそれぞれの業界に所属団体というものがあるだろう。
主に中小企業経営者が所属するこれらの地域や業界の中で、上記のような典型的なオッサンによる劣化現象というのは起こっているのではないか、と思われるのだ。
とはいえ、これらのコミュニティーや業界団体は一部強制加入のものを除けば任意で参加できるものばかりなので、その組織の中が劣化していると思えば参加しなくてもいいのだ。
私が身近で見ていて最大の問題は「事業承継」であろう。
先代が劣化したオッサンになっていた場合、後継者はかなり苦労することになる。
つづく