普段行なうセミナーとは全く違った雰囲気―プレゼンテーション能力を磨く必要性が増している―Ⅱ
税理士が税務や会計の話ではなくて、新規コラボレーション事業について提案する、という試み。
中でも、十数名集まったプロの専門コンサルタントを相手に税理士側がプレゼンテーションするというのは前代未聞のことではないだろうか。
趣旨は税理士とコンサルタントの業務コラボレーションである。
両者とも中小零細企業の経営をサポートする立場。
そこにお互いのビジネスの活路を見出そうじゃないか、という初の試みなのだ。
登壇したG先生は昔から私の仲間だ。
同じ目的を持ち、理念を共有する会計人グループのトップ、会長をお務めいただいている。
しかし、今日のG先生、なんだか明らかに緊張している。
考えてみれば、そりゃあそうだろう!と、思いあたる。
我々が普段行なうタイプのセミナーとは全く違った雰囲気なのだ。
たぶん、我々会計人が行なうセミナーで一般的なものは、まずお客さん(顧問先)相手、次にお客さんを含む経営者相手のもの、次に同じ業界内で会計人に対するもの、などである。
前者2つのセミナーに比べて、業界内のものは格段に緊張する。
同じ業界内といっても、事務所の従業員向けのものであればそれほどでもないが、相手が税理士先生だけ、となると結構気を遣うのだ。
ところが、今日のセミナーはそれらとも全く異なる趣旨のものである。
どちらかといえば、これまで対立関係にあった業界の人間をまとめて相手しよう、という設定である。
緊張するな、という方が無理であろう。
講演(プレゼンテーション)時間は3時間とってある。
普通のセミナーとすればかなり長丁場だ。
G先生はいったいどんな風に話を持っていくのだろう、と楽しみ半分、緊張感半分で私も聞き耳を立てた。
つづく