際立っているのか、いないのか‥―社長は誰でもオンリーワン、でも伝えなければ「唯一性」にはならない―Ⅰ
よく
「ナンバーワンではなく、オンリーワンを目指せ!」
と言った言葉を聞きます。
それは、
―ナンバーワンというのは、例えそれを目指したとしても、他者と比べて規模や組織力、技術や商品力などにもともと差があり過ぎた場合、頑張っても到底届かない、という現実がある。
そこで、非常に無理をしてしまうとか、或いは諦めて自暴自棄になってしまっては意味がない。
それよりは、無意味な競争を避けて、自分だけにしかないもの、自分にしかできないことを追及したらどうか。
そうやって、ナンバーワンではなくオンリーワンを目指せばいいじゃないか。―
と、いったニュアンスで使われるのではないでしょうか。
しかし、よく考えてみれば、例え同業者であっても、全く同じようなやり方で仕事をしたり、全く同じ商材を取り扱う、ということはないわけです。
そういう意味では自分が営んでいる事業は、多かれ少なかれ、どこかしらオンリーワンということになります。
これを社長に置き換えてみても同様で、同業者といえども、社長によって考え方や事業への取り組み方、構想や夢、といったものは微妙に違います。
そう考えれば、世の中に全く同じ社長というのはいないことになり、逆にオンリーワンであって当り前なわけです。
ただここで問題になるのは、それが「際立ったオンリーワン」なのか、「そこそこのオンリーワン」なのか、ということです。
オンリーワンというのは日本語で言えば「唯一」ということになります。
どうせ「唯一」であるのなら、際立っていなければ面白みがありません。
つづく