「弱点」=「盲点」はのっぴきならないレベルまで膨らむ―弱点、盲点、起点の3点分立で経営を考える―Ⅲ

気づいていない、或いは気付こうとしていない「弱点」こそ、その企業の大きな問題点である、と述べてきました。

 

さてそう考えると、「弱点」というのはある意味企業の「盲点」と、捉えることもできます。

いやむしろ「弱点」=「盲点」と、仮定して再探索してみる必要があるかも知れません。

 

「弱点」=「盲点」が成立する場合、通常、経営者の耳には入れにくいものです。

誰しも「弱点」を指摘されるのは気分のいいものではありません。

 

それが経営者の「盲点」になっているものだとすればなおさらです。

先述のようにあまりにも自信たっぷりで、自分を疑うことを知らない経営者の場合、なおさら周りはそれ(「弱点」)を指摘しにくいのです。

 

また、経営者はこんな話、にわかには認めない可能性もあります。

指摘の際、何らかの軋轢が起こることも考えられます・・・

こういった理由で「弱点」=「盲点」が指摘される機会は、自然と少なくなっているのです。

 

成功体験に裏打ちされた思い込みというのは、一種の宗教のようなものですので、これを覆すのは容易なことではありません。

ロジカルな説得だけで、その思い込みを翻意させるのは難しいのです。

 

このように「弱点」=「盲点」のケースは、なかなかいい解決策が見つかりません。

日本中の経営者或いは後継者が悩んでいるのではないでしょうか。

 

もし、こういった企業に後継者がいるとすれば、彼はここは勇気をもって臨むべきです。

というのは、「弱点」=「盲点」こそが、長年かかっても企業の中で是正されずに残ってしまう根本的な「課題」になってしまうからです。

ほかの改善点と違い、この「弱点」は先送りされることで、のっぴきならないレベルまで膨らんでしまうのです。

 

 

つづく