媒体にまだ一切出ていない生情報は貴重―情報収集と情報発信はペアでなければ意味がない―Ⅱ

様々な団体に経営者が所属する理由はいったい何なのでしょうか。

それはおそらく千差万別なのでしょう。

 

そんな中で、皆さんがおっしゃる最も共通した理由の一つに「情報収集」のため、ということがあります。

こういった場での「情報収集」は、先述した本や雑誌、新聞テレビなどからの知識習得とは少し意味合いが違います。

 

というのは、いろいろな生の声が聴けるこれらの場へ参加することは、単なる「知識習得」とは少し目的が異なっているからです。

ここで交わされる情報は、お勉強としての知識や、マクロな経済の動きとか新しい業界の方向性といった、ある種整理され系統立てられたものではありません。

 

経営者同士の、ちょっとした会話とか、雑談の中から細切れ、ぶつ切れの状態で得られる断片的な情報です。

ただこれは、マスメディアなどのバイアスがかかった、いわゆる整理編集されたものではないので、極めて「生(なま)」に近い状態の情報ということになります。

 

優れた経営者はこの玉石混合のぶつ切りの生情報の中から、自らの事業に反映できるような光るヒントを見つけ出すのではないでしょうか。

つまり、メディアやインターネットといった公の媒体にまだ一切出ていない生情報というのは、気の利いた経営者にとっては、経営の未来を考える上で極めて魅力的な材料と言えましょう。

 

とまあ、私は、皆さんがおっしゃる「情報収集」という言葉について、上記のような解釈を行ない、これらの団体に経営者が参加する理由を見いだそうとしています。

何故私が、わざわざこのように参加する理由を見いだそうとするのかお分かりでしょうか。

 

それは、こういう場での「情報収集」の実態にその理由があります。

「情報収集」という言葉が、単に参加するための言い訳であったならば全く意味がないからです。

 

 

つづく