図抜けたスター性、異次元の色香―昭和のプライド?ジュリーの矜持―Ⅱ

沢田研二ことジュリーが活躍したのは1960年代後半からである。

いわゆるグループサウンズ(GS)の中の人気グループであった「タイガース」のボーカルとして絶大なる人気を誇った。

 

同年代に俳優の萩原健一がいる。

彼も同時期「テンプターズ」というGSでボーカルとして活躍したのだ。

ショーケンの呼び名で沢田研二と人気を2分していた。

 

ちょうど私が高校生の頃だったから、はっきりと覚えている。

もう、ずいぶん昔の話ではあるが。

 

その後、萩原健一はどちらかといえば役者の道を歩み始め、自分なりのポジションを獲得していったのである。

しかし、沢田研二は活躍したGSの「タイガース」を解散し、ソロになっても歌を続けていた。

 

GSの頃の人気が絶大だったがために、普通なら音楽を続けていてもだんだんジリ貧になっていくもの(実際そうなった人気ボーカルは多い。)だが、沢田研二だけは違っていた。

ソロの歌手としても、ずっと第1線をキープし続けたのである。

人気も衰えることはなかった。

 

私など、特別彼のファンという訳ではなかったが、そのスター性は図抜けていたような気がする。

その歌も歌う姿も第1級のエンターテイナーとして、見る者を魅了した。

 

確か2,3年前のバラエティー番組だったと思うが、彼の若い頃の歌う映像が流れたとき、会場の若いタレントたちの間にどよめきが起こった。

その歌う姿から溢れ出てくる、異次元ともいうべき色香に度肝を抜かれたようであった。

 

リアルタイムで彼のファンだったという女優の柴田理恵が、

「これ、これ!この色気ですよ。もう、そりゃあ滅茶苦茶カッコよかったんですよ。」

と、遠くを見るようなうっとりとした目でコメントしていたのが印象的だった。

 

 

つづく