新しい発想を伝える方法は新しい発想で―社長がやらないで誰がやる『差別化』への一番の近道「情報発信」― Ⅱ
同業者は誰もやっていないから「情報発信」は「差別化」に通じるのだ・・・・
今まで散々そのことは言ってきたつもりでしたが、まだ本当の、本質的なところではピンと来ていなかったのです。
私も、その社長の事業に対する目の付け所は悪くないし、一生懸命働いてもいるようなのに、何故業績が上がらないのか不思議だったのです。
この日、改めて話してみてその原因がわかりました。
自分の思っている路線に対して中途半端だったのです。
社長が考えていたのは、それまでの業界内のやり方とは少し違った路線でした。
当然、それまであまり他者がやったことがない方法なので、少し強めのインフォメーションを流さなければ世間の人は知る由もありません。
そのことはわかっていましたから、SNSなどを通じていろいろと「情報発信」するようにとお勧めしていました。
ところが、肝心の情報伝達のところで、どういうわけか彼は、業界内の方を向いてしまったのです。
思いついた新しい発想はよかったのに、そのインフォメーションについてはこれまでのやり方にこだわっていた、という何とも中途半端な状態に自分を置いてしまったために、やっていることがチグハグで結果に繋がらないでいたのでした。
彼は『差別化』が必要なことはわかっていました。
彼に限らず、その業界全体の状況が思わしくなかったからです。
これまでの、業界的なやり方では埒が明かない、と気付いたので、新しい発想でビジネスを立て直そうとしていたのでした。
ところが、その新しい発想を伝える方法についても新しい発想で臨まなくてはならない、というところにまで思いが至らなかったのです。
つづく