眠れる獅子だった大国インドの存在感―「歴史問題」に拘らない国々との協定― Ⅱ
山崎氏はこの論壇においてインドとの連携強化を次のように述べておられる。
―日欧の連携がここまで強化された今、避けがたい問題は、両者をつなぐ政治・経済的な連絡通路の確保だろう。(中略)
日本と欧州をつなぐ連絡通路の確保について考えたとき、おのずと頭に浮かぶのは、これまで人口でも版図でも強大な潜在力を秘めながら、外交的にはいわば眠れる獅子だったインド大国の存在である。―
私は経済力の源泉はなんといっても人口だと思っている。
人口が多ければおのずと経済は活性化し、減少すれば元気がなくなるのは世の必然である。
そういう意味では、中国が経済力をつけ存在感を増していくのは必然といえば必然であろう。
ただ、中国という国は経済力をつければつけるほど、それを軍事的覇権に繋げたがるので厄介な国なのだ。
他国の意見も全く聞こうとしない。
ただ、膨大な人口をバックにしているために、先述のように経済力が衰えることは考えにくい。
これに対抗できる勢力としてはなんだろう?と、考えたときにやはり頭に浮かぶのはインドということになるのだ。
インドの魅力はやはり民主主義国家であるということだろう。
そういう意味では中国とは違い、根本的に共有できる思想基盤が一致している。
このことの意味は大きい。
そのインドに変化が見られ始めたというのだ。
山崎氏は次のように述べておられた。
―おりしもそのインドがやおら目覚め、外交大国への一歩を踏み出そうとしているというのである。―
中国と異なり、「まともに話ができる」のであれば、これはかなり心強い大国の登場ということになる。
そのことへの期待も山崎氏は触れておられた。
つづく