2つにわかれる見解―「税理士だから・・・」で行くのか「税理士でも・・・」で行くのか ―Ⅱ
他の分野にはなかなか手を出そうとしない税理士というポジション。
先述のように、外側からはいろいろ言われており、アプローチの多いこのポジションを、内側の当事者である我々税理士はどう考えているのでしょうか。
ここでは大きく二つに分かれると思います。
その一つは
「我々は税理士なんだから、税務以外のことにはあれこれ手を出すべきではない。よく相談される経営に関する様々な問題や業績アップといった課題についても、そもそもそれは経営者の仕事である。」
というスタンスです。
「我々は専門の国家資格を付与された税理士なのだから、他のことには基本手を出すべきではない。」
といった考え方です。
もう一つは、
「税理士でもできることはいろいろある。そもそも企業の数字を預かる仕事なのだから、経営についても相談されれば専門的な立場で応じるべきである。」
というスタンスになります。
「資格をベースとして顧問という立場で企業データを知り得るポジションにいるということは、少し膨らましていろいろなニーズに応じるのは当然である。」
といった考え方になります。
つまり、税理士の立場を極めて限定的に捉えるのか、幅を持たせて捉えるのかで考え方が違ってくるのです。
外からあれこれアプローチしてくる皆さんには
「そんなに限定して考える必要もなかろうに・・・」
と思われるかも知れませんが、そう考える税理士は意外に多いのです。
この点についての考察は、実は様々な思惑や考え方が交錯して一筋縄ではいかないところがありますので、さらに深く突っ込んでみたいと思います。