税理士と顧客がともに成長発展する時代へ―節税この狭量なる世界―Ⅲ(おしまい)

「当り前」の処理を「節税」と称して売り込むことができた時代背景・・・

とにもかくにも、安心して提出できる税務申告書が最終的に提供されるのですから、税理士の仕事は大いに歓迎されたことと思います。

 

ところが、この売り込みがうまく行き過ぎた。

税理士=節税、というイメージがあまりにも強烈に定着してしまったのです。

 

税理士側も、もともとあまり商売に長けたタイプが選ぶ仕事ではありません。

いろいろと他のセールスプロモーションを考えるよりは「節税」を謳っておけば受けがいいので、ずっとこれに頼り切ってしまった。

 

かくして、高度経済成長期がとっくに終わってしまった現在でも、税理士=節税というイメージばかりが負の残像として残ってしまっている、というのが、私の見解です。

少々乱暴な断定かも知れませんが、冒頭の社長さんのようなセリフがいまだに普通に出てくるところをみると、あながち的外れの見解とも言えない気がします。

 

とはいえ私もHP(ホームページ)やパンフレットを通じて「節税」の看板を下ろしている訳ではありません。

「節税を一切やらない税理士」という看板を出すには、まだ相当の度胸が必要です。

 

それでもどこかで「税理士=節税」というイメージからの脱却を強く図る必要があると私は思っています。

我々の仕事の中心は「経営支援」に移ってきており、「儲かることができたならば、大いに税金を払いましょうよ。」というのが本筋、と考えるからです。

 

タイトルの「節税この狭量なる世界」という状況から早く離脱して、税理士と顧客がともに成長発展する時代に突入したいものです。

 

 

 

おしまい