税務申告をきちんと整理して代行―節税、この狭量なる世界―Ⅱ

「節税」という、ステレオタイプのイメージしか持たれていない我々税理士という職業・・・この点について改めて考えてみました。

 

日本が高度経済成長と言われていた、昭和30年代から50年代にかけて、「商売」という一つの産業は全盛を極めました

モノを調達して、或いは生産して販売すればいくらでも右から左にさばけて、商売人は大いに儲かったのです。

 

その「商売」が繁栄し始めると同時くらいに税理士制度が発足して、日本の自主申告制度を支える基盤となりました。

両者は足並みをそろえて成長発展したといってもいいでしょう。

 

当時、商売は、儲かるのはいいけれど、きちんと帳簿を整備して、間違いのない税務申告を自分で行なうのはなかなか大変な作業でした。

我流で申告をして、後から税務調査でけちょんけちょんにやられた、なんて話はよくあることだったのです。

 

そこへ救世主のように現れたのが税理士だったのではないでしょうか。

我流の解釈で行なっていた税務申告を、当たり前の考え方できちんと整理して代行してくれる。

まさに税理士は救世主だったのです。

 

これは私の想像ですが、この「当り前」の処理を当時「節税」と称して売り込んだのではないか、と思います。

あまりにもでたらめな処理が横行していたので、税理士がきちんと減価償却の計算をしたり、ちゃんと引当てを設定したりすることを「節税」と称して指導したのではないか、と思うのです。

 

これはあながち商売人たちをダマしたというよりも、基本的な知識に乏しく納税意識も低い人たちへの、うまいプレゼンテーションだったのではないか、と思います。

税理士と商売人、この両者の思惑が見事に一致して、日本の自主申告制度は整備が進んだのです。

 

 

つづく