「情報の入手経路」が動機?―社長に不可欠な重要テーマ・・情報処理の判断基準―Ⅱ
何故、社長さんたちは補助金がこんなに好きなのか・・・
もちろん、お金が貰えるという直接的な動機が一番なのでしょうが、それに劣らず考えられるのは、「情報の入手経路」にあるような気がします。
先述の社長の場合、
「役所にいた同級生が、他を出し抜いていち早く教えてくれた。
だからこれは、今のところ俺しか知らない得な情報なんだ。
他に知られる前に自分が取ってしまわなければ損をする。」
といった思考経路をたどっています。
そうなると、その補助金の本質そのものよりも
「他に渡したくない!」
という欲の方が勝ってしまうのではないでしょうか。
「情報の入手経路」ということでいえば、次のような話もよく耳にします。
「うちの税理士は、これこれこういう方法でうまく節税をやってくれた。お宅の税理士はそういうことやってくんないの?」
といった話です。
「知り合いの社長からこういう話を聞いたんだけど、うちの会社はどうなの?」
と、顧問先の社長さんに聞かれることがあります。
こういうお話の「入手経路」は大抵、業界の集まりの酒の席などです。
その「情報」をくれた社長さんは、自分の会社でたまたまうまくいった「結果」しか見ていません。
専門家である私たちから見れば、その「結果」を得るためには、その会社の抱える独自の事情を踏まえたプロセスがあったはずです。
その会社の担当税理士は、その独自の事情を前提に税務的な処理を行っているのです。
ほとんどの場合、例え同業者であっても、その事情が違えばそういった同じ「節税方法」など使えないことが多いのです。
担当の税理士は、わざわざ聞かれれば別ですが、顧問先の社長さんに対して、一々使えなかった節税方法などクドクド説明することなどしません。
つづく