埋もれていたものを掘り出し覆っていたものを剥いで削り出す―マイレジェンド、あのとき俺は頑張った!―Ⅱ
誰にでもあるのではないか、と思われるその人にとっての「マイレジェンド」。
特に経営者においては、その可能性(切り出せるレジェンド)が大きいのではないか、と思うのです。
先述の巨人軍キャンプのエピソードと同様に、経営者であればどこかで必ず、経営上の危機とか逆風に対して、うんと踏ん張った経験とか、異常に頑張った時期というものがあるのではないでしょうか。
そんなものはまるでなかった、という方がむしろ少数派でしょう。
今は順調に見えている経営状態だとしても、常に順風満帆だったはずはありません。
おそらく山あり谷ありの中で、苦労したり苦汁を舐めさせられたりしたことはあったと思います。
そこで踏ん張った経験というのは、それが重い意味を持っていても、またそれほどではなかったとしても大した問題ではありません。
それを「マイレジェンド」と称してもいいのではないかと、私は思うのです。
当の本人は、そんな大したことではなかったよ、と思っていても、傍から見れば
「それって、なんかすごい話ではないですか!?」
といったことは結構あるものです。
当事者が、案外気がついていないだけなのかも知れません。
とすれば、それを埋もれさせておくのはもったいない話です。
コラムのタイトルを「削り出しませんか?」としたのはそのためです。
新たに話を作るということではないのです。
埋もれていたものを掘り出すのです。
というより、覆っていたものを剥いでいって削り出していく、と言った方が適切かも知れません。
つづく