私が○○屋ということはみんな知っている?―古くて新しい経営者が行なう情報発信― Ⅱ
しかし近年、弁護士も医師もマスメディアなどを使って、派手に広告宣伝を打つ個人や法人なども出てきました。
特に弁護士、司法書士といった資格は「過払い金返還請求」という、願ってもないビジネスモデルを得て鼻息が荒いようです。
医師や歯科医師も「美容」という、これまであまりアピールしてこなかった切り口で広告宣伝に向き合う人が増えてきています。
「美容」と広告宣伝は、おそらく切っても切れない関係だろうと思います。
この人たちは、同じ資格で仕事をしていても、その中身はかなり異なっているので、その違いをはっきりとアピールした方がわかりやすいのだ、ということに気がついたようです。
つまり、広告宣伝のもつ機能、効用、効果といったものにようやく気付いたというところなのです。
また、弁護士の「過払い金返還請求」にしても、相談の気軽さ手続きの簡便さをうたい文句にして、彼らの持つ堅苦しさ敷居の高さを払拭しようとしています。
いずれも、これまでその利用者に伝わっていなかった情報を届けることによって、新しい境地を開拓しているのです。
さて、ここまで「士業」或いは「師業」をサンプルにして、いろいろと語ってきました。
ここで、私が言いたいのは、似たようなところが一般企業にもあるのではないか、ということなのです。
つまり、彼らが
「与えられた資格で仕事をしているのだから、広告や宣伝などしなくても世間はわかっているはずだ。」
という思い込み、或いは自己規定は他の企業にも当てはまるのではないかと思うのです。
「私が○○屋ということはみんな知っているはずだ。」
とか
「私は○○屋なのだから世間の人はみな○○屋としか思っていないに違いない。」
と、ほとんどの経営者は思い込んでいるのではないでしょうか。
つづく