自分のことを正確に伝えるのは案外難しい?―古くて新しい経営者が行なう情報発信― Ⅲ(おしまい)
「俺のことや俺の会社についてはみんな知っているはずだ。」・・・・・
なるほど、極めて狭い範囲であればそれはその通りです。
ただし、人口減少が進む現在、その共通認識が通じている範囲ではビジネスの成立が厳しくなってきていることも事実です。
これまでよりビジネスの守備範囲(商圏)を広くとればとるほど、みんなが知っているはずだ、という共通認識は薄くなっていきます。
またその範囲内の人であっても御社の仕事を本当に理解しているのかどうかはわかりません。
新しい情報の提供を行なえば、これまでの顧客も変わってくる(新しい受注に繫がる)可能性があるのです。
「私が○○屋ということはみんな知っているはずだ。」という前提を一度捨ててみて下さい。
もう少し正確に言えば「みんなが俺のことをよく知っているはずだ。」という前提を一度白紙に戻すということをしてみて下さい。
自分の存在や専門性をよく知らない人に、自分のことを正確に伝えるというのは簡単なようで案外難しいものです。
今回サンプルとして紹介した「士業」や「師業」の人たちは、こちらのことをなんとなく知っているはずの顧客候補達に、どうやって自分の専門性や得意分野を伝えていいのかわからずに四苦八苦しているのです。
また、資格業である彼らには、多少業界の監視や自主規制があるので、その分伝え方にも制限がありやや窮屈になります。
その点、一般企業であれば、思いっきり自分なりの広告を打つことが可能です。
そんな中でも、私がお勧めしている社長自らが行なう「自社ストーリーの情報発信」はかなりユニークです。
広告宣伝とくくることさえ少し違和感があるくらいこれまでの「情報発信」と趣を異にしています。
もちろん「情報発信」の中身も大切ですが、情報発信すること自体がユニークですので、その効果は大きいと言えます。
例え長年やって来た商売であっても「みんなが知っている。」という前提を捨てて、「情報発信」を心がけてみて下さい。
新しい世界が広がるはずです。
おしまい