できればいらんことはしたくない?―なぜ「損得」で判断するのか― Ⅱ

『租推協』の正会員入会を断った件、私はこの話のどこにがっかりさせられたのか?

 

まず、その会議で「何のメリットがあるのか?」という質問が出たという時点でがっかりさせられます。

租税教育というのは、子供たちに対する言わばボランティア活動です。

メリットもくそもありません。

こちら側(税理士)の「黙って貢献する」という気持ちでしか成り立ちようがない建て付けの制度、と私は思っています。

 

こちらにとってのメリットデメリット、つまり「損得」の価値観を持ち込むこと自体、いかにも情けない間違った認識と言わざるを得ません。

もともと損得でやる話ではないのです。

 

そして、さらにがっかりさせられるのは、結局「(なんだか面倒臭そうだし)断っちまおう!」という結論に達した、ということなのです。

なんにせよ新しいことは嫌なのです。

 

「正会員になってしまうと賛助会員に戻ることが難しくなるのでやめておこう。」

という、なんだかよくわからない理由付けも、後ろ向きでいかにも情けない話です。(何で戻ることなんか考えるんだろう?)

 

「租税教育推進協議会」がいつどうやって発足したのかは知りませんが、そもそもこの会議に、税理士会がゲストとして呼ばれること自体、私には違和感がありました。

「えっ、これって税理士会が先頭切ってやることじゃないの?」

そう思っていたからです。

 

租税教育は、現場経験の豊富さや、その専門性の高さゆえ租税を俯瞰できるという点で税理士が一番ふさわしい、と私は思っています。

しかし、税理士は全体として、それほど租税教育に積極的なようには見えません。(もちろん、中には熱心な先生や支部もあります。)

 

今回にお話のように、税理士にとって租税教育に協力するのは、仕方なくやっていることのように見えるのです。

「できれば何の得にもならない、いらんことはしたくない・・・・」

と。

 

つづく