ベテランが若手の成長を見守る心を大切に―「トライアル&エラーの勧め」再び―Ⅸ(おしまい)

さて、この20年間、あまり進歩がなかったのでは?と感じる日本経済ですが、さすがにもうギリギリ追いつめてられていると感じます。

ここで何か有効な手を打たなければ、本当に手遅れになってしまうのではないでしょうか。

 

そんな日本経済に復活のきっかけを与えるとすれば、具体的にはどんなことを実行すればいいのでしょう。

その点についてこの記事の筆者は、次のように結んでいました。

 

―日本企業に「やってみはなはれ精神」を呼び戻すためには、「ベテランが若手の成長を見守る心」を大切にすることではないかと思う。

これは深圳での取材で感じたことだ。

今やドローンで世界的企業に成長したDJIの20代の元社員にインタビューした際に、その人は

「DJIが成長した理由は、若い人に多くの経験をさせて、前向きな失敗なら許すことだ」

と語っていた。

冒頭で述べた工作機械・ロボット関連の企業も、オーナーは60代の日本人だが、

「すべての仕事は若い中国人に任せて、一切口を出さない。常々、私に相談せず、自分で判断しなさいと言っている。私が会社で仕事をするのは、顧客とトラブルがあって謝りに行く時だけと決めている」

と言う。

その結果、2016年から17年にかけて、売上高は60%伸びたそうだ。―

 

これは私も自分のクライアントさんを長い間ウォッチングしてきて感じることです。

時代が大きく変わってしまったときには、年配の先代経営者が感覚的について行けなくなったとしても、それは致し方のないことなのです。

 

そのときは、前述のように潔く

「現場のことには、一切口は出さない。すべて若い人材に任せる。」

といったくらいの度量が必要なのではないでしょうか。(これは、常々自分にも言い聞かせていることです・・)

 

もし、この度量に欠ける年配経営者が多いとすれば、それが今の日本の大きな悩みなのかも知れません。

 

 

おしまい