スクラップアンドビルドが必須の時代―「トライアル&エラーの勧め」再び―Ⅳ

地方中小企業オーナー経営者の

「他ではまだやっていないようだかから、うちもまだ・・・・」

というマインドのために、私が経験上最も悩んだのは、コンピュータ会計の導入でした。

いつまでもそろばんや電卓使って手書きの帳簿の時代じゃないだろう、というのは20年以上昔から私にとっては自明の理でしたが、これがなかなか通じなかったのです。

 

決算のときがいい機会と思い、パソコン会計をお勧めしても「じゃあ来年には考えるわ・・」とか「息子に代替わりするときにでも・・」などとはぐらかされたものです。

次の決算といえば1年後、代替わりのときなどといっていたのではいつになることやら分かりません。

 

スピード重視の時代、まさにあり得ないようなのんびりとした反応だったのです。

「世の中どんどん進んでいるのになあ・・・」

と歯がゆい思いをしたことを覚えています。

 

こうやって、大企業も中小企業も同じように、スピード感がないところをみると、何ごとにも慎重で、できれば過去からのやり方を変えたくないという、日本人の心情がよく表れているのかも知れません。

しかし、現代はまさに「破壊と創造」の時代です。

営々と引き継いできたやり方も、スクラップアンドビルドしなければ今の経営としては通用しません。

 

日本人がかくも保守的なのは、戦後見事に経済を立て直し、かなり長い間世界の経済をリードしてきた、という「成功体験」がそうさせているからではないでしょうか。

ここまで根深く勘違いさせるほど、日本経済の好調ぶりは長く続いたのです。

 

 

つづく