決められない人は帰ってください―「トライアル&エラーの勧め」再び―Ⅲ

スピード感がまるでない、と世界から酷評される日本企業。

この話はさらに続きます。

 

同様の話がイスラエルでもあったことが紹介されていました。

―イスラエルの投資セミナーを取材した際にも、冒頭で講演したイスラエル人が、

「最近、日本企業はイスラエルにオフィスを設立しているが、なかなかビジネスに結びつかない。

その理由はすぐに決めないからだ

日本企業は、提携や投資などを最終決定するのに時間がかかり過ぎる

今日は、決められない人は帰ってください。」

と言っていた。―

 

「帰ってください・・・」この言葉に、外国企業の日本に対する苛立ちが込められているような気がします。

日本企業が「これでよし」として守ってきたペースが、世界から見れば明らかに立ち遅れてきていることがわかります。

 

大企業の場合、稟議をあちこち組織内で回さなければならないために、意思決定が遅くなる、ということが起こるのだろうと思います。

それでは意思決定が速いはずの、私たち税理士が担当する中小企業ではどうでしょうか。

 

同族経営がほとんど中小企業では、オーナー経営者の決断次第で、いかようにも変化対応できそうな気がします。

ところがやはり、大企業と同じように「決められない」ということが起こるのです。

 

中小企業の場合、それも特に地方の場合は「他もやっているのか?」というのが大きな基準になります。

「他でやってもいないようなことを俺が先にやっちゃっていいものか?」

という、よくわからないマインドでブレーキがかかるのです。

「他人の目」というものを、過度に気にかける地方ならではの風土ゆえのことなのかも知れません。

 

 

つづく