「資格者」という自覚と経営者意識とのズレ―税理士としての私のスタンス― Ⅵ
さて、昨年20年来一緒に仕事をしてきた父は去年(2017年)亡くなりました。
ここ数年は事務所に出てくることも少なくなり、経営の方はほぼ私の思う方針に沿って経営してきました。
当初、迷いの多かった事務所経営もようやく落ち着いてきています。
世の中に数多くの税理士事務所はありますが、私は一体どんなスタンスをとってきたのでしょうか。
税理士は通常自分のことを「資格者」と考えます。
まあ、当たり前といえば当たり前のことなのですが、そうすると、自分が向き合う仕事はすべて「資格者」の視点から見ることになります。
経営者が何か相談してきても「税務的には・・・」とか「税法上は・・・」と考えがちです。
こちらにとってはそれが当たり前なのですが、経営者にはそれだけでは充分ではありません。
「経営」の守備範囲は「税法」よりもはるかに広いので、それでは引っかかってこないことの方が多いのです。
この「ズレ」が常態化しますと、経営者はだんだん相談しなくなります。
「どうせ相談しても、税金のことしか答えが帰ってこない。」
と、なるからです。
まあこちらはそれが専門で、そこの専門性のところで顧問契約しているはず、なのですから、文句を言われても困るわけです。
私はこの「ズレ」を早くから感じていました。
税理士がしばしば「おっかない」と言われるのは、「真面目で固い人が多い」からだけではありません。
専門外のことを聞かれるのが嫌なのです。
普段「先生」と呼ばれているのに、答えに窮するような経営上の難しいことを聞かれても困るわけです。
そこの防御線を張るために、あえておっかなく見せざるを得なかった、というのが本音ではないでしょうか。
つづく
〈お詫び〉
このブログを続けてお読みになっている方には申し訳ありません。
昨日分の「Ⅴ」を飛ばして掲載しておりましたので、今日入れてしまいました。
昨日の時点では、話の連続性がおかしくなっていたのではないかと思います。
この「Ⅵ」に、これまでの「Ⅴ」をズラして載せております。
ややこしくなりましてすみません。<m(__)m>
このお話、もう少し続きますので、引き続き読んでいただければ幸いです。