深い内容の言葉を文章化するという資質―経営者の言葉が持つ力とその使い方について考える―Ⅱ

経営者の情報発信・・・その極めて重要なファクターは「言葉」である、と述べました。

 

しかもこの場合、媒体として使われるのは、ラジオである地域FMを除けば、SNSを媒体としたブログやコメント、ローカル紙に掲載するコラムなどです。

ここで必要とされる「言葉」は、「口から発せられた言葉」ではなく、「書かれた言葉(=文章)」ということになります。

 

世の中に「弁が立つ」人は一定数いると思います。

しかし、文章を書くのが得意という人は、それに比べてかなり少ないのではないでしょうか。

 

得意不得意ということでいえば、文章を書くことが得意という人はおそらく極めて少数派でしょう。

そのことは承知の上で、私は「経営者の情報発信」をお勧めしているのです。

 

また、次々と滑らかに出てくる言葉を場に応じて発言できるという才能と、時間はかかっても深い内容の言葉を文章化するという資質とは異なるものです。

ということは、私が「経営者の情報発信」という手法をお勧めするとき、

「私は弁が立たないからそう言うのは苦手な方で・・・」

という逃げ口上は、ちょっとズレている、ということになります。

 

私たちは、しばしば「弁が立つ、立たない」ということを、「情報発信をするしない」と混同して考えがちではなでしょうか。

そう思ったので、このテーマに触れてみたのです。

 

更に言えば、この二つの資質(弁が立つ、ということと、きちんとした内容を情報発信できる)は、場合によっては相反すると言ってもいいかも知れません。

このことは少し突っ込んで考えてみたいと思います。

 

 

つづく