挑戦者たちのマインドを探る―何によって彼らは突き動かされているのか― Ⅱ

そんな彼らの起業のパターンを、トークセッション出席者の一人である柴田陽君は次のように述べています。

― 挑戦って聞くと、イチかバチかの勝負、みたいなイメージもあるのかもしれませんが、まったくそうは思っていません。(中略)

起業を繰り返してきましたが、それは今ある手札で最善のところへ打ってきただけ

うまくいった時も『よっしゃ』という感じはない。(中略)

可能性やシナリオは見えている

だから、ああ、期待に応えられてよかったと思うだけです。―

 

我々世代が、かつて起業に対して抱いていたリスク。

つまり、イチかバチかで挑戦して、失敗すればすってんてん、といったギャンブル的な、或いは悲壮感溢れるようなイメージは彼らには全くありません。

 

逆に、成功したら大金持ち。

いい家住んで、いい車乗って・・・みたいなイメージもあまりないのです。

 

― 大成功して大金持ちになりたい、みたいな起業は今はあまり聞かないですね。

世の中の課題を解決する手段として起業する人が多い。(中略)

ベンチャーキャピタルから投資を受けるだけなので、個人のリスクもほとんどありません。―

 

大金持ち云々は、我々世代の願望なのでしょうか。

しかしながら、上記のように金銭的リスクが低い代わりに、志(こころざし)については、むしろ我々世代の頃よりシビアな要求が突きつけられているのかも知れないと思いました。

それは、次のような言葉によく表れています。

 

― ただ、それだけに意味のある起業をしないといけない。

食うために起業をするのではなく、世の中のために新しい価値をつくるべき。―

 

こういった発言を聞いていると、我々の頃より、さもしいところが消え、ベンチャー挑戦へのクオリティが上がっているなあ・・と思わされます。

 

 

つづく