「営業」を援護射撃するのが「接待交際費」―「接待交際費」と「広告宣伝費」を考える―Ⅱ
接待を通じて顧客などとのコミュニケーションを深めようという意図のもとに使われる経費が「接待交際費」でした。
さて、企業が自らの商材やサービスを個別直接に売り込む行為のことを、通常「営業」と呼びます。
これが企業活動の根幹をなすものであることは間違いありません。
なので「営業」は、接待することによって相手との関係性を深めていこう、という間接的な行為とは明らかに異なるものです。
つまり「接待交際」は、企業の「営業」という直接的な活動を、間接的に援護射撃する位置付けということになるのです。
これに対して、同じ援護射撃的なものでありながら、「広告宣伝」は売りたい商材やサービスそのものをアピールします。
それは、営業行為をそのままサポートするものであり、その目的を大きく外すことはありません。
つまり、企業にとって最も重要な「営業活動」に対して、「広告宣伝」は明確にそのサポート役を担うものの、「接待交際」はそのポジションがやや曖昧です。
その曖昧さの上にこれまで成り立ってきたのが、日本のビジネス社会独特の「接待交際費」といえるのかも知れません。
本来は営業活動の後押しとして「接待交際」が行なわれるはずが、実際はしばしばもっと曖昧な理由でその費用が使われているといっていいでしょう。
世の中が好景気に沸き、中小企業にも資金が潤沢だった頃には「接待交際費」は、その目的に叶うと叶わざるとにかかわらず、盛大に費消されたのです。
しかし、世の中かなり変化してきました。
おそらく今中小企業には、無駄な接待交際費を使う余裕などないでしょう。
とはいえ、せっかく広告宣伝費の代わりに認められた接待交際費を有効に使う手段はないものでしょうか。
つづく