中小企業には何故「交際費」が認められているのか―「接待交際費」と「広告宣伝費」を考えるⅠ―

中小企業には「接待交際費」という経費が認められています。

「接待交際費」・・・世間的には「事業遂行上必要なんだから、これがあるのは当たり前」と、思われているかも知れません。

ただ、この出費が経費として認められているのにはそれなりの理由があります。

それは、大企業は多額の「広告宣伝費」を使って、大々的に自社や自社の商品、サービスなどを宣伝することができます。

しかし、中小企業にとって同じような方法をとることは不可能なので、自社に見合った交際費を使い、接待などの手段で自社の営業活動をしてもいいですよ、ということなのです。

ですから、原則大企業には「接待交際費」という経費は認められていません。

正確に言えば経費として計上してもいいのですが、税法上は課税されるというものです。

さてここで、経営者の皆さんに改めて考えていただきたいテーマがあります。

それは、果たして「接待交際費」が「広告宣伝費」の代わりになり得るのか、ということなのです。

「広告宣伝費」は、確かにかなり莫大な費用を使って、マスメディアなどを媒体にして、自社の商材やサービスなどを売り込んでいくものです。

その効果の測定はなかなか難しいのですが、少なくとも直接的に消費者に語り掛けるものであることは間違いありません。

一方、「接待交際費」はというと、個別に直接売り込むというものではなく、接待を通じて顧客などとのコミュニケーションを深めようという意図のもとに使われる経費です。

言い換えれば、間接的な効果を狙って行なう行為にかかる費用ということになります。

 

つづく