「使命感」は「マーケティング」を超える。―「ゲーテ」創刊12周年記念イベントに出席して・・―13(おしまい)
パーティー会場でお話したのは、先ほど第2部で登壇し、トークセッションをしていたうちの一人、インドネシアの国連開発計画で働いている坂田宏氏でした。
彼も東大卒業後、マッキンゼーに就職し、数年の勤務のあとベンチャー企業の立上げとかを経て、現在のポジションについいているとのことでした。
私は彼に率直に尋ねてみました。
「あなた方のトークの中で、1回もマーケティングという言葉が出てこなかったので少し驚きました。
私も昔、起業したことはあるのですが、あの頃はビジネスをマーケティング的にどう見るか、どう考えるか、というのが大きなテーマだったような気がします。
あなたたち世代の間ではマーケティングというのは既に古臭い考え方、アプローチになっているのですか?」
と。
これに対する彼の答えは
「いえ、そんなことは決してありません。
マーケティング的アプローチは必ずしますし、大事だと思います。
ただ、マーケティング的アプローチだけでは少し弱いんですよね。
マーケティング的アプローチだと世の中を変えるだけのインパクトを持ちません。
僕らは何かを起こすときには、世の中にとって、それが根本から仕組みを変えるくらいのインパクトがあるか、といった使命感みたいなもので発想しますので。」
といったものでした。
これに対して私は
「ヘぇー、すごいね。
僕らが起業した頃は、
『これが世の中のニーズを捉えていて受け入れられるだろうか、果たしてこれで儲かるだろうか。』
程度の発想しかなかったような気がするなあ・・・
君たちの時代になって、明らかに起業する際の考え方のクオリティが上がっているよ。
感心しちゃった。
頑張ってください。」
と、率直に感想を伝えました。
と、こんな風に彼らと接触することで大いなる刺激を受けた私でした。
今回のイベント参加は、私にとってかなりのインパクトがありましたし、実際の人脈も広がった実りのあるものだったのです。
おしまい