「マーケティング」はどこへ行った?!?―「ゲーテ」創刊12周年記念イベントに出席して・・―Ⅻ

さて、そうやって若い彼らのトークを興味深く聞いていたのですが、私にとって軽くショックだったのは、2時間近いディスカッション中、一度もマーケティングという言葉が出てこなかった、ということです。

 

私も30年近く昔、東京で友人と起業しました。

あの頃は「ベンチャー」などという言葉はなく、普通に

「自分たちのやりたいことがあるからただ起業した」

という感じでした。

で、そのとき我々は、まさに「マーケティング」を生業(なりわい)としたのです。

 

自分たちでやれる仕事として、世の中のニーズを見極めながら、

「これならいけるんじゃないか?!」

と探り当てたのが「マーケティング」という、当時ではまだ目新しいジャンルでした。

つまり、事業というものを、マーケティング的に考え、「マーケティング」というニーズが高いと踏んで、これを専門業とする起業に踏み切ったのです。

 

第2部である彼らのトークセッションのあと、懇親会に移りました。

立食ではありましたが、コンラッドホテルの料理はしゃれていて豪華なものでした。

 

しかし私にとって、第1部のビッグネームは出席していないとはいえ、せっかくの人脈を広げる良いチャンスです。

のんびりと料理に舌鼓を打っている場合ではありません。

 

中には、雑誌「ゲーテ」の発行人である舘野晴彦氏など著名な方もいらしたので、名刺交換をしてもらい、他の出席者の方などともいろいろとお話をさせていただきました。

そうしていると、先ほどのトークセッション第2部で登壇していた一人の経営者がいたので、私が抱いた疑問点などを含めていろいろとお話をさせてもらったのです。

 

 

つづく