資金調達の基準は、確実性ではなく、革新性、独自性―「ゲーテ」創刊12周年記念イベントに出席して・・―Ⅹ

若手起業家3人の登場に、その前のビッグ4よりだいぶ見劣りするなあ~・・・くらいに思っていた私。

そんな思いは、トークセッションが始まるやいなや見事に覆された・・・・

 

彼らの発言を聞いていて、随分ビジネスの事情が変わって来たんだなあ~・・と思わされたのは資金調達の現場についてです。

その考え方や手法が、我々とは随分違ってきているように思えました。

 

普通我々会計人が、事業者に依頼されて新規事業の経営計画書などを作成する際には、融資をお願いする銀行の審査に必ず通るように、極めて手堅い計画書を作ります。

また、そうでなければ、資金回収の確実性を最も重視する金融機関も、融資を通してはくれません。

 

しかし、彼らが調達を依頼する投資家(「エンジェル」と呼んでいました。)たちは全く逆のことを言う、というのです。

「こんな手堅い計画では、革新性も独自性もなく、全く面白味がないし、リターンも少ない。もっと大胆な企画はないのか!?」

と、言ってくるそうなのです。

 

我々会計人や金融の関係者が、良しとしてきた手堅い経営計画書「面白くない!」と切り捨ててしまう、投資家たちの世界。

これは、これまでとは全く逆の考え方です。

つまり、ベンチャー企業経営者である彼らの周りでうごめいている世界は、銀行のように貸付金に対する2,3パーセントの金利見返りのレベルをそもそも期待していません。

 

そういった単位で動く世界ではなく、投資に対する配当として20倍、30倍、いや場合によっては、100倍1000倍のリターンを期待して投資するのだそうです。

こうなると、我々会計人がこれまで経験してきた世界とは、まるで異なるように見えます。

 

 

つづく