その瞬間、私は「はいっ!」と、手を上げた!!―「ゲーテ」創刊12周年記念イベントに出席して・・―Ⅵ
司会者の「何かご質問はありませんか?」の声に、この日最高の出来事は起こった・・・
せっかくだ。何か質問しようかな・・・
と、私が逡巡していると後ろの席から「はいっ!」と、手が上がりました。
みんなが一斉に振り返る中、若い男性が立ち上がりました。
質問というのは
「僕は今29歳です。今度『幻冬舎』さんから写真集を出すことになりました。いろいろ大変だったのですが、そんな僕に何かアドバイスはありませんか?・・・」
といった内容でした。
細かいところまではよく覚えていないのですが、なにかそんな意味の、どうもその日の話の流れとは、あまり関係のない内容だったような気がします。
200人の聴衆の中で、真っ先に手をあげた若者の勇気には拍手を送りたいところです。
しかし、その質問の内容が幼稚過ぎて、壇上の4人も少し困惑したように見えました。
見城徹氏が早速聞き返します。
「何が聞きたいのかちょっとよくわからないなあ。今度うちから本を出すっていうけど、俺そんなの聞いてないぞ。グループには何社かあるんだが、どの出版社から出すんだい?」
すると若者の答えは、『幻冬舎』本体からではなく、自費出版をサポートする関連会社から出します、といったものでした。
見城氏は
「先にそれ言ってくれなきゃ困るよ。俺が知らない本が出るのかと思って驚いたよ。」
と一言たしなめた上で、何かアドバイスしていましたが、その内容はよく覚えていません。
質問がどうも低レベルだったためか、他の3人の回答もそれなりだったような気がします。
そこで時間を使ったために、司会者が
「さあ、いよいよ時間が限られてきました。次の質問で最後とさせていただきますが、どなたかございませんか?」
その瞬間、私は「はいっ!」と、手を上げていました。
つづく