もう無理だ!もう終わりだ!次はない・・―「ゲーテ」創刊12周年記念イベントに出席して・・―Ⅴ

福山雅治氏の加わったトークセッションは、話題が多岐に及び、次第に盛り上がっていきます。

 

「仕事に対する姿勢」ということにテーマが及んだとき、福山雅治氏が面白い発言をされていて、印象に残りました。

それは、ライブとかアルバム制作とか、なにかしら大きな仕事が終わったあと、その達成感とか満足感とかいうよりも、

「やっと今回もなんとか乗り切った。なんとか誤魔化しきった。もう無理だ。もう次は同じようなことはできっこない。」

と、精神的にも肉体的にもヘトヘトになってそう思う、という発言でした。

 

これに対して見城徹氏も

「俺もそうだよ。もう終わりだ。次は無理だ、と毎回思うもん。」

と、言われていたのも印象的でした。

二人は一つの仕事に対して全力を尽くすタイプなのでしょう。

 

ところが、同じテーマに対する秋元康氏の答えは、先の二人とは、まるで反対のものでした。

「俺は、なんか必死になって仕事に取り組むってことはないなあ。普段の延長でなんてことなくこなしているなあ。」

という発言だったのです。

 

これに対して、見城徹氏が

「秋元は天才肌だからだよ。もともと無理しなくてもこなせるようにできているんだ。」

と振ります。

「いやいや・・・・」

と、秋元康氏は落ち着いて応じます。

 

こんなやり取りが続いて、たちまち1時間以上が過ぎました。

一時間半になる頃、司会から

「そろそろ終わりの時間が近づきました。最後は会場からの質問を受けたいと思いますが、いかがでしょうか?」

との言葉がありました。

 

この後です。或る意味、私にとって、この日最高の印象的な出来事が起こったのは・・・

 

 

つづく