「ほおずき」と「縁切り寺」に見る日本女性の風情は幻想か?Ⅲ

「さだまさし」の歌に出てくる、どこか儚げな女性像を「なんかいいなあ・・・」と思っていた私。

 

ところが面白いもので、当時一緒に仕事をしていたちょっと気の強い女性コピーライターがいたのですが、彼女は私のこの歌詞に出てくる女の子への好感触について知ると

「海江田さん、世の中にこんな女なんて現実にはいないんだからね。男の幻想なのよ。幻想!

と言い放ったのです。

 

そのとき、私は心の中で

『まあ、お前とは明らかに違うけどな・・・』

と思ったものでしたが、もちろんそれは口に出して言いはしませんでした。

 

ただ、彼女のこの言葉を

「でも、それも一概に否定はできないよなぁ~・・」

と思わせるような歌詞が最後に出てきます。

 

―あの日のお祭りに

 今夜は一人で行ったよ

 想い出のほかにひろったものは

 誰かが忘れたほおずきをひとつ・・―

 

これでこの歌は終わるのですが

「え、あの儚げな女の子とは別れたのかよ!」

と思わされます。

 

しかも、未練がましく想い出のお祭りに行くのは俺一人。

ということは、たぶんこっちがふられたということ!

向こうも来ているのか、いないのかわからないけれど・・・

他の男と来てたりして・・・

 

あのとき、祭りの人混みでよろけて涙ぐんじゃったりしてたけど、その女結構したたかだったのか・・・

と、どす黒い妄想が広がります。(俺だけか・・・)

 

 

つづく