「ほおずき」と「縁切り寺」に見る日本女性の風情は幻想か?Ⅱ
さて、前置きが長くなってしまいました。
冒頭「何のこっちゃ?」と、思われたであろうタイトルについてです。
この「グレープ」のベストアルバムには「ほおずき」という曲と「縁切り寺」という曲が入っています。
そこそこヒットした曲なので、耳覚えのある方もいらっしゃるかと思います。
いずれも、祭りやお寺といった日本の原風景をバックに、男女の恋愛をテーマにした曲で、付き合っていたときから別れた後までの、男性から見た心象風景が歌われています。
これらの曲に登場する相手の女性は、どこか繊細で儚げで、なんかこうギュッと守ってあげたくなるようなタイプに描かれています。
例えば、「ほおずき」に出てくる女の子はこんな風です。
1番にこんな歌詞があります。
―きみの下駄の鼻緒が切れた
ひとごみにまかれて切れた
僕の肩にすがりうつむいたきみは
おびえるように涙をこぼした―
また、2番には
―僕の肩越しに
子供の花火をみつめ
きみは小さくつぶやいた
消えない花火があるなら欲しいと―
2番はちょっとわざとらしく感じなくもありませんが、1番の「人ごみに巻き込まれて涙ぐむ」なんてなんだか可愛いなあ・・・と、思わされたものでした。(昔の話でございます。)
つづく