何故、情報発信が弱いのか?―業界の人事から情報発信について考える―Ⅲ
業界なり団体を代表する役職を持った経営者の皆さんが、HPという基本的な情報発信媒体を持っていないか、驚くほどプアな状況だったのは「何故だろう?」私はその理由をと考えてみました。
理由のひとつは、役職につくこと自体、ある程度年齢を重ねた方が多いので、そういったデジタル系の知見にはあまり強くない、ということがあるのかも知れません。
ただ、これはいつも申し上げていることでありますが、そういった新しいテクノロジーに対する直接的な知識や操作法などには弱くても、「意識」さえ向いていれば若い者に任せるといった方法も取れるはずです。
私の場合、こういった世界に比較的強い若いスタッフがいますので、コンテンツを私が提供し、それを媒体に乗せていくのは彼らの役割、という風にそれぞれの分担を明確にし、情報提供を怠りなく続ける体制を作っています。
ところが、業界幹部の皆さんにはそういったことができていませんでした。
ということはつまり、情報発信に対する「意識」そのものが希薄なのだろうと思うのです。
もう一つは、業界なり団体なりの「内側」に対する働きかけや情報発信には熱心でも、顧客を中心とした「外側」に対する情報発信に「気持ち」が向いていないのでは、ということです。
これは私からすればかなり不思議な現象でありますが、「業界」に向き合う方は、ほぼそちらのことにかかり切りになります。
これはまさに「内向きのベクトル」ということになります。
本来であれば「内側」に向けるエネルギーに匹敵するくらい、いやそれ以上に「外側」つまり顧客に「気持ち」を向けなければならないはずですが、そうなっていません。
というか、どのような状況にあっても、自身の経営する企業のトップである限り、自らの顧客には常に向き合っていなければならないと、私は考えます。
ところが、内向きである会務に没頭すると、いつの間にか顧客の方を向くという外向きの姿勢を忘れてしまうようなのです。
HPの件がまさにその姿勢を表しています。
つづく