「働き方改革」というけれど・・・―「和」とパフォーマンス―Ⅲ
例えば、アメリカのドラマなど観ていると、同じ会社の中でも食うか食われるかみたいな激しい手柄争いのような場面が良く登場する。
肉食系狩猟民族とはこんなものなのか、妙に納得させられるシーンである。
それでは、日本でも同じようなマインドで、同僚や上司と仕事の上で、丁々発止やりとりできるものだろうか。
おそらく、アメリカ人のようにドライにはいかないだろう、と思う。
私としては、やはり職場の「和」は保ってもらいたい。
その上で、個々のパフォーマンスを最大限上げるにはどうしたいいだろうか、と考えるのである。
その解決策の一つは「シェア」する感覚だろうと思っている。
自分の持ち分の仕事が終わっても、他に手持ちの仕事が終わらなくて四苦八苦している同僚がいたら、サッとサポートに入る、といったような考え方である。
こんな行動パターンが自在に行なわれることで、「部」とか「課」といった組織全体のパフォーマンスが上がっていけばそれでいいのではないか、と思うのである。
こういった考え方や行動様式は、逆に欧米人には苦手かも知れない。
しかし、日本人であれば割と普通に受け入れられるのではないだろうか。
かつて日本は「個」を犠牲にした組織論で高度経済成長を実現し、世界のビジネスシーンを席巻した。
「社畜」などという言葉が作られたのも、そういった職場環境が背景にあったからである。
「和」といった言葉を持ってくると、かつてのそういった時代のイメージを持つ人がいるかも知れないが、その時代とは明らかに異なる価値観の上に新しい職場環境は作られなければならない。
「シェア」という考え方や価値観がもっと研究され、普及すればいいと私は思っている。
つづく