家電メーカーの分析により日本企業の問題点を洗い出す―その原因と解決策―Ⅷ(おしまい)

今回の長内教授の提言をまとめると次の3点にポイントが絞られます。

・日本メーカーは、技術力は強いが、迅速で大胆な経営判断が欠けていた。

・革新性を発揮するには、組織を超え、知識を総動員すべきだ。

・価格競争に陥らないよう、他社との差別化が必要。

 

これを見ていると「なるほど、そうだったのか!改めて気づかされた!」というような内容ではありません。

むしろ以前から言われていた日本企業に共通する課題だったとも言えます。

 

問題は、結構昔から指摘されていたにもかかわらず、それを修正することができずにいた、という点にあるのではないでしょうか。

こういった現象は、制度疲労を起こしている官僚制とか修正できないでいる大企業病などに共通して現れているような気がしてなりません。

 

問題点は既に特定されているのに、修正が効かない、自浄制度が働かない、というのは深刻であり歯がゆい話です。

何としてでも、日本企業は上記3つの問題点の解決に取り組んでもらいたいものです。

 

さて最後に長内教授は、次のように結んでおられます。

― 海外では、しっかり金もうけができる経営者が「クール」であり評価されます。

日本もそうあるべきです。―

 

まあ日本の経営者もそう考えていない訳ではないでしょうが、今回述べてこられたように、日本企業には現代ビジネスにそぐわない古い体質が多々あります。

これはなにも大企業である電機メーカーに限らず、全国の中小企業に及ぶまで共通の課題ではないかと私は思っています。

 

おしまい

 

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