専門性を活かして付加価値をつける―悪循環の行き着く先は荒廃した市場―Ⅳ(おしまい)
その安易に低価格競争を選んだ結果としてどういうことが起こるか・・・
この点について茂木会長は次のように結んでおられる。
― 価格競争が行き過ぎると商品のイメージが悪くなり、コストを下げると品質が落ちる。
その結果、商品が世の中から消えるなど悪循環に陥り、結局は消費者のためにならない。―
価格競争の恩恵を最も受けるのは消費者のはずだが、そのマイナス面がまわりまわって、最終的にはその消費者の利益すら打ち消してしまうというのは事実であろう。
ということは、その恩恵を受けたいがために、低価格路線を強く求めた消費者にも責任の一端はあるということになる。
冒頭、生産性が最も低いと言われたサービス産業に所属する私の業界はどうであろうか。
都会の方では低価格路線がすでに始まっており、厳しい競争にさらされているとも聞く。
以前私が、東京で会社を設立した時に、いきなりDMが何通も舞い込んだが、税理士事務所のものが多かった。
その大半は低価格路線をアピールするもので、首都圏におけるこの業界の厳しさを知ったのである。
税理士業界に限らず、いかなるサービス産業においても、それまでのサービス内容を変えないで現在の価格を維持するのは難しい。
生き残るために業務をできるだけ効率化し、低価格路線に走っているというのが現状なのであろう。
しかし、そこで止まってしまっては茂木会長が冒頭言われた「分母を小さくする」ことにしかならない。
我々は専門性を活かしていかに付加価値のある分子を作り上げていくか、が大きな課題なのではないだろうか。
おしまい
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