経営にはストーリーが必要な理由がある―AIに対抗できるのは独自性と創造性― Ⅰ  

 

先日、テレビの特集番組でAI(人工知能)を取り上げていました。

将棋の佐藤名人がコンピュータに敗れて

「これで人間がコンピュータに勝てないことが確定した。電脳戦(将棋における人間とコンピュータの戦い)はこの勝負が最後となった。」

というナレーションが流れて、将棋には門外漢の私も少なからずショックを受けました。

 

もちろん佐藤名人の落胆ぶりは見ていて気の毒なばかりで、相当戸惑った様子でした。

特に

「なに一つ間違った手は指していないのに結果的に負けてしまった。」

とのコメントに、何とも納得いかない彼の心情と戸惑いがうかがい知れたのです。

 

番組では、AIが人間に与える恩恵を紹介する一方で、その推量することを許さない不気味さ、思考プロセスのブラックボックスに対する恐れについても触れていました。

開発した側の人間が、その予測不可能な潜在能力の可能性にて戸惑っていたのです。

 

AIの恩恵の最たるものの一つとして、タクシーの乗車率を上げるシステムが紹介されていました。

AIが指示する地域で車を走らせれば乗車の確率が高まるというのです。

最初は半信半疑だったベテラン運転手も、その効果の高さに驚いていました。

 

この技術の更に先にあるものは、おそらく車の自動運転でしょう。

自動運転が発達すれば、人間の運転手のいらない日がくるはずです。

 

車の運転に限らず、人間が何か処理をしたり、定型的な作業として行なっていたことは、急激なスピードでAIに替わっていくことを予感させます。

将棋は私が以前聞いていたよりもかなり早い段階でコンピュータに敗れました。

 

今後は、車の運転や将棋だけでなく、AIが人間を凌駕する領域は、かなりのスピードで増えていくことになるでしょう。

ある一線を超えたところで、技術革新のスピードが加速度的になって行くのはもはや周知の事実です。

 

つづく