商圏の拡大―地縁血縁経済を打破するためにやるべきこと―Ⅲ(おしまい)
いきなり全国区というレベルではなく、もう少し足元の身近なところから着実に商圏を拡大していくことはできないものか。
何かいいアイディアはないものでしょうか。
私はそれを「地方メディア」に見いだしました。
「地方メディア」というのは、言うまでもなく新聞の地方紙やタウン誌、ローカルのテレビ局やラジオ局などになります。
私は、これらを利用して様々な情報発信を行なっていくことを自らの事業で実践しています。
「地方メディア」がSNSと異なるのはそれが「他者」であるということです。
SNSが基本自作自演であるのに対して、「地方メディア」は他者の検証が入るという点で若干信頼感が増します。
また、この「地方メディア」を利用した情報発信の届く範囲は、地縁血縁のやや上をいくものの、それを大きく逸脱するということがありません。
つまり、目線の届く距離感でもあるのです。
メディアの向こうにいる人たち(聴取者や購読者)の立場からも、地元企業ということで、その距離感には近いものを感じるはずです。
この、会おうと思えば会える距離というのは、地縁血縁の意識の延長上にあるため、特に警戒されるということがありません。
実際私の場合、これまでの商圏をやや広げた範囲からのお問い合わせが多くなっています。
これまで慣れ親しんできた、地縁血縁をベースにしたビジネスモデルをそれほど逸脱することなく情報発信できるのが、「地方メディア」を利用することのメリットなのです。
とはいえ、この絶妙の距離感に気が付いている人はそう多くありません。
「地方メディア」を高度利用してこれまでの商圏を打破していく、このモデルを構築するのはそれなりのコツがあります。
私はそのコツを、コンサルティングを通じてできるだけ多くの経営者にお伝えしたいと思っています。
おしまい