イクメンからイクボスへ―世の中の価値観は変わる―Ⅳ

 私はこれまで、経営者として「対外的に自らのビジネスをどう構築していけばいいのか。」という方向性でしか事務所経営というものを考えていませんでした。

つまり、マーケティング的に見て、次に何が来るのか、何をやれば私の事務所のビジネスとして成立するのか、という方向軸でしか常にものを考えていなかったのです。

 

しかし、現代経営はそれでは全く足りない、ということがハッキリとしてきました。

経営者は、つい対外的なことにのみ意識を集中しがちですが、組織内部の人材育成や情報の共有、業務の標準化、管理体制の構築など、内側に向けてやらねばならないことも山積みです。

まあ、薄々はわかっていましたが、不得意分野でもあるため手をつけかねていたのです。

 

そんな中、特に若い社員に対する思いとしては、どこかでモーレツに自分を追い込むような仕事の仕方を経験しなければ、一生の財産となるようなビジネススキルは身につかない、というのは今でも私の持論でありそう思っています。

しかし、それをむやみに他者に強要してはいけないということも心しておかなければならないと学びました。

 

マーケティング的発想にしろ、自分追い込む仕事のやり方にしろ、基本的にはビジネス上の不可欠要素であることは間違いないところです。

ただ、そこに加えて、時代の要請として、整備しなければならない制度労務的に配慮を要する点がいろいろと付け加わってきたのです。

 

 

つづく