アリエネッティから見たうちのご主人様―アリエネッティ気付かれそうになる―Ⅳ

おや、奥さんにすげなくされて帰ってきたご主人、書斎の真ん中に立ってしばし考え込んでいるようね。

そんなに眼鏡が見つかったのが不思議なんだろうか。

今までだって似たようなことはあったでしょう。

今度ばかりは納得がいかないのかな、ふふふ。

 

 

でも、このインパクトが強すぎて私たちの存在に思いが及ばなければいいけれど。

あくまでもシークレットな存在なのだから、私たちは。

 

人間が不思議なくらいモノが見つからなくなるのは、本当は私たちのせいなんだけれど、それは共存を長く続けるためのちょっとした息抜き、悪戯なのよね。

そのことに人間が気が付かないから、ずっとこの危うい均衡は成り立っているのよ。

 

今日の悪戯は、ちょっとぎりぎり危ないところまでいっちゃったかな。

ご主人の反応は、見ていて面白かったけれど、このレベルの悪戯はほどほどにしておかないとね。

 

2,3日後・・・

その後、ご主人、日記に「まさか妖精のせいじゃないだろうな??」なんて書いていたから、本当に際どかったのね、今度の悪戯。

ちょっと危なかったけど、自分の脳のせいにしたり妖精の存在を疑ったりと、バタバタ慌てるご主人の姿が可愛くてなんだかすごく楽しかったわ。

 

つづく