アウトプットの必要性とその価値について考える―トップの話は聞いてみたい―Ⅲ
世の中の経営者が、ことさらアウトプットをしようとしない理由には2段階あります。
一つは、そもそもそんなアウトプットが必要などとは考えていない、ということです。
これは、大半の経営者がそう考えているのではないでしょうか。
「俺は自分とこの商品やサービスを世の中に送り出す(作ったり売ったりすること)のが仕事であって、俺の頭の中のことなど知らせてもしょうがないだろう。」
と考えるのが普通なのでしょう。
確かに普段の仕事に関しては、そう考えて当然です。
とはいえ、自社の商品やサービスを市場に提供するのは、何も社長だけの仕事ではありません。
会社全体で取り組んでいることです。
製造部門には製造の、販売部門には販売の責任者がいるはずです。
しかしながら、会社全体を統括する総責任者である社長のアウトプットは社長にしかできないのです。
もちろん、中には気の利いた社員がいて自社における彼の専門分野のアピールくらいはできるでしょうが、社長が行なうそれとは全くレベルが違います。
経営者の場合、その幅の広さや専門性の深さの点で、伝える視点や中身がまるで違ってくるといっていいでしょう。
数々のドラマを抱えた企業経営者の、そういった話を聞きたい、知りたいと思う人は世の中に社長が想像している以上に多数存在するのです。
つづく