経営者が伝えなければ伝わらないこちらの世界―立場が違えば専門性も違う―Ⅲ
ここで私が、なにが言いたいかというと、
「人は、頭が良くて、そこそこ世間のことをわかっているような立場の人でも、こちらの世界は案外知らない。」
ということなのです。
だから、
「こちらのことは知っているはずだ。」
というのは、大抵の場合、とんでもない思い違いということになります。
毎日、様々なタイプのゲストと接して、普通の人たちよりも幅広くいろいろなことをわかっているはずのパーソナリティーという職業の彼女たちでも、少し専門性に立ち入った話になると意外にその中身を知りません。
これは私の専門分野に限ったことではないだろうと思います。
それでは一般の人たちは、こちら側のことを「何故そんなに知らない」のでしょうか。
また、こちら側の「何を知らない」のでしょうか。
例えば、このブログは経営者向けに書いています。
つまり、このブログは、その読者である経営者が「経営」というものに関して、筆者と共通の了解事項や知識レベルがある、ということを前提に書いているのです。
しかしながら、ラジオや一般紙のコラムなどは、ほとんど普通の民間人がその聴取者や購読者です。
この人たちは、こちら側の「専門性」とともに「経営」についても素人だと思った方がいいでしょう。
つまり、世間の人は経営者に比べて、その経営者が持つ「専門性」についてはほとんど素人であり、また「経営」についてはそれを考えたり悩んだりする立場にありません。
そのために、この二つについては「知らない」ということになるのです。
つづく