税理士事務所は家業か事業か?:「管理」と「経営」その違いについて考えるⅠ
私は現在19名の従業員とともに会計事務所を経営しています。
すべてのメンバーとしては、私と家内を加えて21名体制で、この手の事務所としては大きい方になります。
この規模になると、家業という訳にはいかず、意識としては事業経営ということになります。
従業員数が父の時代の倍以上、売上もそれに近い数字になってきています。
つまり、客観的な事業規模だけ見ていくと、私はある程度伸ばしてきたことになります。
それでは、私が、これまで立派な事務所経営を行なってきたのかといえばそうとも言えません。
右往左往あれこれ迷いながらなんとか続けてきた20年余りで、常に余裕はなかったなあ・・というのが正直な感想です。
さて、何故私が事務所をこの規模まで拡大してきたかといえば、「経営をしたかったから」にほかなりません。
「何かビジネスをするとすれば組織的に・・」
というのが私の考えでした。
言うまでもないことですが、税理士というのは、個人に付与された国家資格です。
だからといって、例えば、私の知識や専門性を職人技的に個人の単位で世の中に提供していくことで、それを自らの仕事にしていこう、という考えはあまりありませんでした。
この仕事をやるとすれば、組織的かつ部門担当別に事業を組み立てていくと思っていたのです。
つづく