どちらの土俵でどんな相撲を取るのか―立ち位置と方法論について考える―Ⅱ

それでは、お客さんからそういった新しいご要望やご提案があったり、新しいニーズが発生した場合は、上記の分類に当てはめるとどのようになるのでしょうか。

その前に、それぞれの「土俵」「得意な型の相撲」というものを考えてみましょう。

 

我々税理士にとって自分の「土俵」というのは

「税法及び会計の法律、規則、ルール等の解釈、処理に関する専門的な分野」

といったらいいでしょうか。

もっと一般的にわかりやすく言えば「会計処理や税金に関する様々な事柄」という言い方でもいいかも知れません。

 

また税理士にとっての「得意な相撲の型」というのは

「税務会計の専門的な知識を使って、その専門性に関係する様々な疑問に答えたり処理すること」

となります。

 

これに対してお客さんの「土俵」というのは、どういったことになるでしょうか。

こちら(税理士)側から見れば、

「税理士の専門性以外の或いは専門性をかなり膨らました領域の、経営に関するあらゆる疑問や困りごと」

といったことになるのではないでしょうか。

 

そして「相撲の型」はどうなるでしょうか。

それは

「税理士の専門性に限定されない広めの経営に関する疑問や困りごとに、税務会計の専門性を超えた解決方法を示すことやその処理を行なうこと」

といった中身になります。

 

これは特に利害の絡んだ交渉事というものではないので、お客さんも自分の専門分野に無理やり税理士を引っ張り込もうとする訳ではありません。

とはいえ、税理士という専門職にとって、税務会計以外のやや広めにとった経営相談というものは、基本的に「向こうの土俵」であり、必ずしも「得意な型」が取れない相撲になるのです。

 

つづく