どちらの土俵でどんな相撲を取るのか―立ち位置と方法論について考える―Ⅰ
よく「相手の土俵に上がってはいけない。」といった表現を使います。
また、「できるだけ自分の土俵で戦うようにしなさい。」とも言います。
これは交渉事や議論などのときに、相手の得意な分野に引き込まれて主導権を握られてしまわないようにとか、こちらのペースでことを進めた方が有利である、といった意味で使われることの多い表現です。
我々の仕事においてはどうでしょう。
我々税理士がお客さんと仕事をする際に、この「土俵」という言葉を使うとすれば、次のように整理することができるのではないでしょうか。(「土俵」という言葉を使うので当然「相撲」という言葉と一対になります。)
我々税理士から見て
1、自分の土俵で自分の(得意な型の)相撲を取る。
2、自分の土俵で相手に合わせた相撲を取る。
3、相手の土俵で自分の相撲を取る。
4、相手の土俵で相手に合わせた相撲を取る。
といった分類になる、と考えられます。
もちろん、私たちとお客さんとの間には「顧問契約」という基本的な契約があり、ルーチンの仕事としてどのようなサービスを提供するかは予め決まっています。
つまり、普段は比較的定型的なサービスを定期的に提供するのが、私たちとお客さんとの仕事のおける関係です。
したがって、上記のような場面が想定されるのは、お客さんから新しいご要望やご提案があった場合、お客さんに新しいニーズが発生した場合といった少し特別なケースということになります。
つづく