地方衰退の原因と再生の処方箋を考えるⅠ
木下 斉(きのした ひとし)という人のコラムを時々インターネットのニュース欄などで目にする。
肩書は「まちビジネス事業家」となっており、地方の抱える問題やその要因について、いつも鋭い切り口で取り上げている。
私も何度かこのブログで彼の指摘を参考にした文章を書かせてもらった。
コラムという形で掲載されているが、地方衰退の原因についての彼の指摘は的確である。
おそらく、これまで余程いろいろな形で関わってきたのだろう、と推察されるのだ。
私も田舎に帰ってきて22年、常に地域の活性化や振興については課題としてきたので、共感するところも多い。
地方の活性化について、私の考えるところとすり合わせて彼の指摘を引用しながら考察してみようと思う。
まず
なぜ地方は補助金をもらっても衰退するのか―地方創生に必要なのは、「おカネ」ではない―
というタイトルのコラムを取り上げてみたい。
彼はこの中で「補助金」の持つ問題点、弱点を明確に指摘している。
―なぜ補助金をもらうと、地方に活力が生まれないのでしょうか。(中略)
タダでおカネをもらえれば活性化しそうなものですが、ズバリ、地方創生に必要なのは「おカネそのもの」ではなく、「おカネを継続的に生み出すエンジン」なのです。―
地方でこの仕事(税理士事務所経営)をやっていて、これまで様々な補助金を目の当たりにし、時には関わってきたが、それが有効かつ継続的に地域経済に貢献した、という事例は見たことがない。
それは木下氏の指摘のように、地方に必要だったのは「おカネ」そのものではなかったからである。
つづく