「のれん」と「ブランド」について考える―「あるもの」と「なるもの」の違い―Ⅱ
「のれん」或いは「営業権」というものは、事業なり商売を長くやっていれば自然に備わるものである。
事業内容がボロボロで財務的にも債務超過となればその価値をつけようもないが、長い間、事業を続けていれば普通はプラスの資産として認識される。
ただその資産価値は大小さまざまであろうと思われる。
傍から見ていて、喉から手が出るくらい欲しくなるような極めて魅力的な企業もあれば、中にはかろうじてプラスくらいかな、といった企業もあるだろう。
つまり「いいのれん」もあれば「大したことはないのれん」もある、ということである。
そういった価値の差はあるとはいえ、長い間事業を続けていれば「のれん」というものが形成されるのは自然なことである。
これは、あえて強く意図しなくても出来上がっていく。
しかし、企業がブランドとして育っていく、ということになると話がかなり違ってくる。
これは単に事業を続けていたからといって、自然に手に入るものではないのだ。
そこに強い意思が働く必要がある。
事業をやっていれば普通に備わるであろう「のれん」に「ブランド」という箔をつけて行くにはどうしたらいいのであろうか。
この場合、私はそこに向かって強い意思が働く必要があると思うのだ。
つづく