「できっこない」ではできっこないⅣ(おしまい)

 

「失敗の原因は特定できたのだから、それを修正すればいいじゃないか。」と書いた。

しかし、この宮永社長のコメントを見ても、それが容易ではないことを示している。

 

確かに、弱点や欠点を特定し、それが簡単に修正できるくらいならシャープもパナソニックもあのような危機には陥らなかったのだろう。

わかってはいても、改革となると実行するのがよほど難しいのだろう。

 

しかし、もっと危機的状況だったかつての日産は、カルロス・ゴーンという完全に異なるカルチャーの持ち主を受け入れた。

どんなに優れた人材でも、日本人にこの改革は無理だ、と判断したからだろう。

 

今回の三菱重工のドタバタを見ていると、それくらいの荒療治が必要ではないかと思ってしまう。

せっかく持っている世界トップクラスの造船技術を活かすには、これまでとは異質のマネジメント力が不可欠である。

 

さて、三菱重工は本当に豪華客船の建造は、もう「できっこない」と思っているのだろうか。

そう思ってしまえば永遠にできっこないだろう。

 

しかし、それではあまりにも情けないしもったいない。

ここで発想をチェンジし、優れた仕組み作りを実現して、新しいタイプのもの造りのモデルで、世界を再び牽引してもらいたいものだ。

 

 

おしまい