頭がいいとは?パート2のⅤ
三つ目は、人に物を教えるときの態度
知的な人は、教えるためには自分に「教える力」がなくてはいけない、と思っている。そうでない人は、教えるためには相手に「理解する力」がなくてはいけない、と思っている
この「相手のせいにする」ということは自分にはないな、と思っています。
教えようとすることが相手に伝わらないときは、自分の力量が足りなかったんだな、と素直に反省します。
「教える」というのは難しくて、特にこちらの専門分野の場合、相手に「理解する力」がなくてはならない、などと考えていてはまず通じません。
それは、お互いの前提がまるで違うからです。
例えば財務諸表(「決算書」といってもいい)一つとっても、こちらはあの数字の羅列を毎日のように見ていますが、説明の相手である経営者は、下手をすれば1年に1回くらいしか見ない人もいる訳です。
その解説を、もしこちらが専門用語の連続攻撃でまくしたてたならば、理解されることはほぼ不可能でしょう。
ああいう分かりにくいものであっても、できるだけ専門用語を使わずに、言葉を置き換えて説明するのにはこちらに「教える力」が必要なわけです。
これは「余力」と言い換えてもいいかも知れません。
専門分野を超えた「余力」がなければいい意味での「教える力」があるとは言えないでしょう。
つづく