地方における産業構造を根本から考え直してみるⅩ(おしまい)
そういった一連のビジネス活動を統合し、数字的に表現するものとして会計的なデータがある。
それらのデータは、決算書の読み込み、「経営計画」の策定といった方法によって経営に活かすことができるのである。
これは我々のような会計人の専門分野といえよう。
地域密着型である我々の業種は、会計の専門性を活かした経営サポートを行なうことで、地域の産業にとってますます必要とされてくるだろう。
農業にしろ畜産業にしろ林業にしろ、自らが営んできた家業としての生業(なりわい)を事業規模にまでもっていくのならば、経営者意識というものが不可欠となる。
経営者意識とは、自らの事業をどれだけ客観的に俯瞰できるかということでもある。
いずれにしても、単に上からばらまかれる補助金のような表面的支援では、これまでもこれからも実効性はほとんどないだろう。
そうではなく、内側からじっくりと醸成されるような、自らの経営レベルを引き上げていくタイプの支援の方が本質的に効き目があると私は考える。
そのためには前述したように、様々な専門家のサポート体制が極めて重要である。
こういったサポート体制が滞りなく組めるような助成というものを期待したい。
おしまい